私が中学生の頃の話です。
当時、マイコンベーシックマガジンなどの広告に基盤の広告がありました。
基盤というのは、ゲームセンターの筐体の中に入っているボードです。
大体が高いお値段ですので、子供には手の届かない存在でした。
ある日、友人がどうしても欲しい基盤があると告白してきました。
私「何のゲーム基盤?」
友人「スーパーリアル麻雀Ⅲ」
私「そうなんだ・・・」
「リアル麻雀って。わかりやすいなぁ~。麻雀がメインじゃないよね?」
という気持ちは億尾にも出さず。
「人気の基盤らしいから、手に入れるのは難しいんじゃない?値段も高そうだし」
と、なるべく冷静に受け答えしました。
友人は手元に7万あるといいました。
何でもお年玉や小遣いを貯めていたそうです。
恐るべき思春期真っ盛りパワー!!
目的の為には金に糸目はつけません。
(リアル麻雀シリーズがどんな麻雀ゲームかはご想像にお任せします)
友人「一緒に店巡りをして欲しい」
私「・・・!!」
「リアル麻雀Ⅲ探しに?君の欲望に俺が付き合うの!?」
しかもですよ、基盤なんて一介の中学生が買いに行って売ってくれるものなのでしょうか?
私の不安をよそに友人は捜索日を決定しました。
基盤捜索
いよいよ捜索日がやってきました。
まずは「基盤関係といえば」の秋葉原に行きました。
何点か周りましたが、やはり「スーパーリアル麻雀Ⅲ」は人気商品らしく、全ての店で売り切れ状態でした。
五反田などの店舗も回りましたが、結果はすべて売り切れでした。
最期の望みをかけて代田橋のお店にいきました。
その店で来週入荷予定との話を受け、友人は予約をしていました。
(金額7万円!!)
平日入荷でしたので、私は同行を遠慮しました。
友人は一人で買いにいき、そのまま私の家にやってきました。
友人の家でテレビが居間にあるのですが、居間のテレビにつないでプレイするゲームではないので、私の部屋のテレビでプレイさせてくれとのことでした。
目的を達成し、嬉々としてプレイしている友人が一言
「必ず(麻雀に)勝てる設定をしらべなきゃ」
ある目的の為なら、どんなことにも一生懸命なパワーに恐れ慄きました。