隆慶一郎氏の小説が好きです。

隆慶一郎氏をご存知でしょうか?

近代の時代小説家として還暦を過ぎてからデビューしたのですが、病に倒れ才能を惜しまれつつ亡くなってしまいました。

 

作家としては実働5年と短い期間でしたが、とても印象に残る小説を残してくださっています。

今回は希代の小説家「隆慶一郎」氏の作品を紹介します。

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順不同で紹介させて頂きます。

本来は出版順に紹介したいところなのですが、ワケあって順不同で紹介させて頂きます。

また、全て紹介したいのですがきお「ちと大変」なので、今回は特にお気に入りな小説を紹介させて頂きます。

 

影武者 徳川家康

小説版にして「3巻」に渡る長編ものです。

この小説は「徳川家康」は影武者であったという説を元に書かれています。

 

いつから?誰が影武者?はネタバレになるので避けますが、大きなネタバレの無い範囲で紹介致します。

 

影武者である「徳川家康」は嫡男である「徳川秀忠」と利害の不一致により敵対関係になります。

徳川家で徳川家康が影武者であることを知っているのは、もちろんごく限られた人物です。

その限られた人物達が、影武者方vs秀忠方に分かれ暗闘が繰り広げられます。

 

影武者側には過去の戦で討死したと思われる武将が軍師になり、影武者を影から支えます。

(軍師の正体は読んでからのお楽しみということで・・・)

 

そして、「徳川家康=影武者」という設定は他の隆慶一郎氏の作品にも影響を及ぼしています。

ですので、まず初めに「影武者 徳川家康」を読んで頂きたいのです。

「徳川家康影武者説」を根拠を持って史実に絡めているので、本当に影武者だったのでは?とワクワクさせてくれます。

吉原御免状

隆慶一郎氏の第一作目の小説です。

「宮本武蔵」に育てらた「松永誠一郎」。

山中で俗世間とは一切かかわりを持たずに育てられ、誠一郎は清廉で一流の剣士に育ちます。

 

宮本武蔵が亡くなる際に「吉原へ行け」と遺言を残していることを知った誠一郎は俗世間でも一般からかけ離れた「御免色里 吉原」に出向きます。

 

誠一郎は「吉原」がただの色里ではないこと知り、「ある一派」に狙われていることも知ります。

松永誠一郎は「吉原」の護衛を引き受け、吉原で生活していくことになります。

何故、吉原が狙われているのか?

意外な展開でとても読み応えがあります。

 

あまり詳しくは書けませんが、この物語も「影武者 徳川家康」が重要なキーとなっています。

また、この物語に登場する「庄司甚右衛門」は後述の「一夢庵風流記」に登場しています。

かくれさと苦界行

「吉原御免状」の続編です。

出自がはっきりした「松永誠一郎」は吉原五丁目の総名主として暮らします。

そして「ある一派」が狙っているものを守る為に剣を振るいます。

そんな中、過去に亡くなったと言われる「お館」と呼ばれるある武将が吉原を訪れます。

 

この「お館」が意外な人物で驚きました。

作者が急逝してしまった為、2冊での完結となりましたが、「吉原」シリーズは実はまだ続く予定だったらしいです。

一夢庵風流記


隆慶一郎氏を世間に知らしめた作品ではないでしょうか?

少年ジャンプで連載していた漫画「花の慶次」の原作です。

 

原哲夫氏の描く「前田慶次郎」の格好良さに痺れた読者も多いかと思います。

この作品をきっかけに戦国時代関係のゲームには古今無双のツワモノとして前田慶次郎が登場することになりました。

 

無名であった「前田慶次郎」という人物にスポットを当て、人物像を作りあげて一人のヒーローを誕生させました。

この作品を読み終わったあとは清々しい気分にさせてくれます。

鬼麿呂斬人剣

実在の刀工「山浦環」の弟子「鬼麿呂(おにまろ)」を主人公とした話です。

(実在したのは「山浦環」のみで、他の登場人物は全てフィクションです。)

 

師匠である「山浦環」が最期のときに「金の為打った数打ちの刀(粗悪な刀)」を全て葬って欲しいと「鬼麿呂」に依頼します。

 

鬼麿呂は師匠の頼みを聞き届け、師匠の刀を探す旅にでます。

 

ところが、旅は順調にいきません。

「山浦環」に恨みを持つ「伊賀忍軍」が「数打ち」の刀を世間に公表し「山浦環」の名声を地に落とそうと企んでいた為です。

刀を破壊しようとする鬼麿呂と、刀を奪おうとする伊賀忍軍の戦いに引き込まれるます。

主人公「鬼麿呂」の芯にある優しさが読んでいて心地良い作品です。

作品はまだありますが

隆慶一郎氏の作品はまだあります。

全て紹介したいのですが、今回はここまでにしたいと思います。

 

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