今でこそゲームハードといえば 「SONY」と「任天堂」 の二強体制ですが、 昔はさまざまなメーカーが独自のハードを出し、まさに群雄割拠の時代でした。
ひと昔前、まだSONYがゲーム業界に参戦していなかった頃── 「セガ」 と 「任天堂」 に真っ向勝負を挑んでいたのが、 NECの 「PCエンジン」 です。
当時のPCエンジンは、独自の路線と高い技術力で存在感を放ち、 ゲーム業界の三つ巴を作り出していました。 あの時代を知っている人にとっては、まさに“熱かった”時代です。

正確には、PCエンジンは NECだけでなくハドソンとの共同開発 でした。
NECは当時、PC市場をほぼ独占していた「PC-XXシリーズ」で圧倒的な存在感を放ち、 ハドソンはソフト開発に強みを持つ、まさに“ゲーム職人”のような会社。
そんな2社がタッグを組んで生まれたのが 「PCエンジン」 です。
価格は当時としては高めの 24,000円。 子ども目線では「お金持ちの家にあるハード」というイメージが強かったですね。
発売当初は主にハドソンがソフトを供給していましたが、 やがてナムコなどの有名メーカーが続々と参入し、 ラインナップはどんどん豪華に。
そして何より衝撃だったのが、 ファミコンとは比べものにならないグラフィックの美しさ。
当時ゲーム少年だった私は、画面を見るたびに心がときめきました。 「こんな時代が来たのか…!」と胸が熱くなったのを覚えています。
革新的なハード
さらにNECは、PCエンジンで とんでもない革新的ハード を発表します。 それが 「CD-ROM²(シーディーロムロム)」。
当時はカセット式やカード式が主流だった時代に、 ゲーム媒体としてCDを採用する という大ジャンプをやってのけました。
容量の制限から解放され、音声も音楽も一気にクオリティアップ。 CD版の 「イースⅠ・Ⅱ」 を初めてプレイしたときの感動は、 今でも鮮明に覚えています。 あのBGM、あの声、あの演出──まさに“別次元”でした。
その後、PCエンジンは 「コア構想」 の名のもと、 さまざまな本体や周辺機器を次々と投入していきます。
ただ正直なところ、 周辺機器の種類があまりに多すぎて、 「構想」というより “迷走” に近い印象もありました。 (当時の子どもには、何が何だか分からないラインナップでしたね。)
■ 実は携帯型もあった
余談ですが、PCエンジンには 携帯型ゲーム機 も存在していました。 その名も 「PCエンジンGT」。
今でこそ携帯ゲーム機は当たり前ですが、 当時としてはかなりの衝撃でした。 (そして値段も衝撃でした。)

スーファミ時代の到来、そしてPCエンジンの黄昏
その後、スーパーファミコンが登場し、 国民的RPGである 「ドラクエ」 や 「FF」 の発売が決定したことで、 ゲーム業界の流れは一気にスーファミへ傾いていきます。
その影響もあり、PCエンジンは徐々に存在感を失い、 かつての勢いは少しずつ薄れていきました。
■ そして1994年、後継機「PC-FX」登場
1994年、NECはPCエンジンの後継機として 「PC-FX」 を発売します。
縦長の独特なデザイン、アニメ表現に特化した方向性など、 当時としてはかなり攻めたコンセプトのハードでした。
しかし、時代はすでに 「プレイステーション」 と 「セガサターン」 の新世代3D戦争へ突入しており、 PC-FXはその波に飲まれてしまうことになります。

PCエンジンは「ときめきメモリアル」をはじめ、 いわゆる “ギャルゲー”というジャンルを本格的に開拓したハード でもありました。
その流れを受け継いだ後継機「PC-FX」は、 さらにそのジャンルへ大きく舵を切ったラインナップが特徴的でした。
NECはPC-FXを最後にハード業界から撤退してしまいますが、 ギャルゲー文化の確立 や CD-ROMをゲーム媒体として普及させた功績 は、 今のゲームハードにも確実に受け継がれています。
改めて振り返ると、 PCエンジンは本当に 先進的で、時代を切り開いた名ハード でした。
ちなみに私は、CD-ROMが一体化した 「PCエンジンDUO」 を所持していました。 あの黒いボディ、CDの読み込み音、独特の存在感── 今思い出しても胸が熱くなります。

ソフトは5,6本しか所持していませんでしたが、思い出深く、今でも実家の押し入れに眠っています。

